姿勢や口呼吸のほかにも、さまざまなくせがあごの力をゆがめています。猫背、横を向いて食事をする、左右どちらかにだけを下にして寝る、えんぴつや爪をかむ、唇をなめる、かむ、吸う、・・・さまざまなくせが、知らず知らずのうちにあごの形をゆがめ、不正咬合の原因をつくっています。なかでもあごをゆがめるくせのナンバーワンがおしゃぶりです。

上顎前突(出っ歯)、開咬、交叉咬合、叢生などさまざまな不正咬合の原因となります。

なぜ指しゃぶりが歯並びを悪くする?

指しゃぶり

指で上あごを前に押す

指しゃぶりでもっとも問題が大きい「親指吸引」の場合、上あごと上の前歯が前に押し続けられます。その結果、あごや歯が前方に突き出る上顎前突になるのです。

上くちびるがめくれあがる

指しゃぶりをする子は、鼻づまりがなくてもいつも口をぽかんと開ける傾向があります。その結果、口呼吸が習慣化してしまい、上くちびるがしまりなくめくれあがってしますのです。

あごがせまくなる

指を吸引しているとあごの側面が常に圧迫されるため、あごの横方向への発達が阻害されます。そのため、きれいな馬蹄形にならずV字型のあごになってしまいます。

上下の前歯に隙間ができる

しゃぶっている指の影響で、上の前歯が前に押し出され、下の前歯が内側に引っ込みます。そのため、歯と歯の間に指の厚さ分のすき間ができ、開咬になってしまいます。

舌癖が始まる

上下の前歯の間にすき間ができると、食べ物を飲み込む時に前歯の間に舌を押しつけ、はさむくせが出てきます。サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずとなり、発音が不明瞭になります。

上下の歯がずれる

上あごの横幅が狭くなると、順調に育った下あごとのバランスが悪くなって、上下の歯がうまくかみ合わなくなります。そのため、歯を横にずらしてかむ習慣がつき、交叉咬合の原因になります。

歯並びが悪くなる癖

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